ギター初心者

ギター初心者のふりは終わり!挫折しない練習法とコツ

ギター初心者のふりをして、今さら聞けない悩みを抱えていませんか?「ストロークがわからないし、初心者の正しいやり方って結局どれ?」といった基本的な疑問から、「エレキギター初心者にぴったりの練習曲は?」「便利な練習アプリはないかな?」といった具体的なニーズまで、この記事が全て解決します。

効果的な基礎練習やストローク練習の方法はもちろん、なぜかストロークが適当に聞こえたり、ピッキングが引っかかる原因も徹底的に解説。

多くの人が気になる「ギターを始めて何割の人が挫折しますか?」というデータや、「初心者は何ヶ月で弾けるようになりますか?」という期間の目安、そして目標となるギターが上手い人の特徴まで、あなたの疑問に寄り添い、上達への最短ルートを示します。

この記事でわかること

  • 初心者がギターで挫折する原因と驚きの割合
  • ギターが1曲弾けるようになるまでの具体的な期間の目安
  • 正しいストロークの練習方法とつまずきやすいポイントの克服法
  • 上達を加速させる練習曲や便利なアプリの選び方

ギターを弾きながら笑顔の日本人女性と、彼女の頭上に浮かぶギターに関する悩みと上達のイメージ。

ギターの教科書


「ギター初心者のふり」でもう一度確認したい基礎知識

  • ギターを始めて何割の人が挫折しますか?
  • 初心者は何ヶ月で弾けるようになりますか?
  • ギターが上手い人の特徴とは?
  • 挫折しないための初心者のやり方
  • 上達に欠かせない基礎練習のポイント
  • 便利なギター練習アプリの紹介

ギターを始めて何割の人が挫折しますか?

ギターを弾きながら難しい顔をしている日本人女性と、彼女の頭上に浮かぶFコードの壁と挫折率9割を示すイメージ。

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結論から言うと、ギターを始めた人の約9割が1年以内に挫折するという衝撃的なデータがあります。これは、世界的なギターメーカーであるフェンダー社のCEO、アンディ・ムーニー氏がローリングストーン誌のインタビューで語ったもので、多くの人がギターの難しさに直面している現実を示しています。

では、なぜこれほど多くの人がギターをやめてしまうのでしょうか。その背景には、いくつかの共通した「壁」が存在します。

ポイント

挫折につながる代表的な「壁」

1. 特定のコードが押さえられない(Fコードの壁)
多くの初心者が最初につまずくのが「Fコード」に代表されるバレーコードです。人差し指で複数の弦を同時に押さえるこのフォームは、指の力や柔軟性が必要で、綺麗な音を出すのが非常に難しいです。何度も挑戦してもうまく鳴らせず、ここで心が折れてしまうケースは後を絶ちません。

2. 上達を実感できない
毎日練習しているのに、好きな曲が全く弾けるようにならない。「楽譜の通りに弾いても、なんだかカッコよく聞こえない」といった、理想と現実のギャップに悩んでしまうパターンです。成果が見えないまま地道な練習を続けるのは精神的に辛く、モチベーションの低下に直結します。

3. 練習時間の確保と孤独感
仕事や学業で忙しい中、毎日練習時間を確保すること自体が困難な場合があります。また、独学の場合、わからないことを質問できる相手がおらず、一人で悩み続けるうちに「自分には才能がないのかもしれない」と諦めてしまうことも少なくありません。

このように、技術的な壁、精神的な壁、そして環境的な壁が組み合わさることで、挫折率は高まってしまいます。しかし、これらの壁は正しい練習方法と適切な目標設定で乗り越えることが可能です。重要なのは、「ギターは簡単に弾ける楽器ではない」という事実を理解し、焦らず一歩ずつ進むことです。

コードの案内人
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驚きの挫折率ですが、これは決してあなたに才能がないということではありません。誰もが通る道なのです。逆に言えば、最初の壁を乗り越える方法さえ知っていれば、あなたは継続できる1割の人になれ、一生楽しめる趣味が手に入ります。この先で解説するポイントを押さえれば、きっと乗り越えられますよ。

初心者は何ヶ月で弾けるようになりますか?

ギターを弾きながら笑顔の日本人女性と、彼女の頭上に浮かぶギターに関する悩みと上達のイメージ。

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ギターの上達スピードには個人差が大きく、練習の頻度や質によって大きく変わるため一概には言えませんが、一般的な目安として段階的に目標を設定すると良いでしょう。

多くの場合、「簡単な曲を1曲、つまずかずに通しで弾けるようになる」までには、合計で約10時間、期間にして1ヶ月から1ヶ月半ほど必要とされています。これは、1日30分の質の高い練習を、週に3〜5日続けた場合の計算です。決して無謀な目標ではないことがわかります。

上達レベルごとの期間の目安

より具体的な目標と、そこに到達するまでの期間の目安を以下の表にまとめました。ご自身の目標設定の参考にしてください。

達成目標 必要な練習期間の目安 ポイント
簡単なコードを押さえて音が出せる 約3ヶ月 最初は指が痛くなったり、うまく音が出なかったりする期間です。CやG、Emといった開放弦を使う「オープンコード」から少しずつ慣れていきましょう。指先の皮が硬くなるまでは我慢の時です。
スムーズなコードチェンジができる さらに約2ヶ月(計5ヶ月) 曲のテンポに合わせてコードを切り替える練習が必要です。3〜4つのコードで構成される簡単な曲を選び、メトロノームに合わせて何度も反復練習することが上達への鍵です。
弾き語りができる さらに約1〜2ヶ月(計6〜7ヶ月) 演奏と歌を同時に行うのは非常に高度な技術です。ギター演奏を無意識レベルでできるまで体に覚え込ませ、歌のリズムに演奏がつられないように練習する必要があります。
ライブで数曲演奏できる さらに約2〜3ヶ月(計8〜9ヶ月以上) 複数の曲を安定して演奏し、人前で披露するレベルです。単に弾くだけでなく、音の強弱や表現力も求められるようになります。ここまで来れば、立派なギタリストです。
コードの案内人
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上記の期間はあくまで目安です。大切なのは練習時間そのものよりも、どれだけ集中して密度の濃い「質の高い練習」ができたかです。 心理学者のアンダース・エリクソンが提唱した「限界的練習(Deliberate Practice)」のように、自分の限界を少しだけ超える課題に集中して取り組むことが、上達への最短ルートとなります。毎日15分でもギターに触れる習慣をつけることを目指しましょう。

有名な「1万時間の法則」も、ただ時間を費やすのではなく、こうした質の高い練習を積み重ねることが前提です。まずは趣味として楽しむために、焦らず自分のペースで目標を設定することがモチベーションを維持する秘訣です。

ギターが上手い人の特徴とは?

ライブステージでエレキギターを演奏する日本人男性ギタリストと、彼の頭上に浮かぶリズム感、音作り、引き算といった上手いギタリストの特徴のイメージ。

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ギターが上手い人と聞くと、速弾きや複雑なフレーズを弾きこなす「テクニカルなプレイ」を想像するかもしれません。もちろんそれも上手さの一つの側面ですが、本当に多くの人から「上手い」と評価されるギタリストには、テクニック以外にも共通する、より本質的な特徴があります。

言ってしまえば、楽曲全体を深く理解し、その中でギターが果たすべき役割を的確に表現できる能力こそが、本当の上手さの正体です。

本当に「上手い」ギタリストの4つの特徴

1. リズム感が正確で、グルーヴを生み出せる
ギターはメロディ楽器であると同時に、極めて重要なリズム楽器です。楽曲の8割以上は伴奏、つまりバッキングを弾いています。そのため、ドラムやベースと一体となった正確なリズムキープ能力は不可欠です。上手い人は、単純な8ビートのカッティング一つでも、聴き手を自然と揺らすような「グルーヴ」を生み出します。これは、クリック練習などで培われた正確なタイム感の賜物です。

2. 音作りが巧みで、アンサンブルを理解している
良い機材を使っているから良い音が出る、というわけではありません。上手い人は、楽曲のジャンルやバンド全体のバランスを考えた音作りができます。例えば、ベースやボーカルの美味しい音域とギターの音がぶつからないようにイコライザーで調整したり、曲の場面に合わせて歪みの量をコントロールしたりと、常にアンサンブル全体を最適なサウンドにするための音作りを意識しています。

3. 「引き算」の美学を知っている
常に音を詰め込むのではなく、「弾かない」という選択ができるのも上手い人の大きな特徴です。曲の中でギターが本当に必要な瞬間を見極め、最も効果的なフレーズを、最も効果的なタイミングで弾くことで、楽曲に深みと抑揚を与えます。自分のプレイを主張するだけでなく、他のパートを活かすための「間」を大切にできるのです。

4. 音楽理論の基礎を理解している
感覚だけで弾いているように見える天才肌のギタリストも、多くは音楽理論の基礎を体で理解しています。コード進行が持つ意味や、スケール(音階)の知識があることで、アドリブ演奏やアレンジの幅が格段に広がります。理論は、自分のアイデアを形にするための強力な武器となるのです。

これらの特徴は、一朝一夕で身につくものではありません。しかし、日々の練習からリズムや音、アンサンブル、そして音楽の構造を少しずつ意識することで、あなたの演奏はただ「弾ける」だけではない、一歩上のレベルへと進化していくでしょう。

挫折しないための初心者のやり方

ギターを弾きながら難しい顔をしている日本人女性と、彼女の頭上に浮かぶFコードの壁と挫折率9割を示すイメージ。

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ギターで挫折しないためには、最初の段階で正しい「やり方」を身につけ、成功体験を積み重ねていくことが非常に重要です。多くの人が、いきなり高い目標を掲げてしまいがちですが、まずは着実にクリアできる小さなステップを一つずつクリアしていくことが成功の鍵となります。

ここでは、初心者が最初に取り組むべき、具体的で失敗しにくい5つのステップを詳しく紹介します。

初心者がやるべき練習5ステップ

ステップ①:チューニングを完璧に覚える
ギターは温度や湿度、弦の伸びなど、様々な要因で音が狂います。弾く前には必ずチューニング(音合わせ)が必要で、これはギタリストにとっての準備運動です。
正しい音で練習しないと、正しい音感が身につかず、上達の妨げになります。クリップチューナーやチューナーアプリを使い、6本の弦(6弦からE-A-D-G-B-E)を正しい音程に合わせる作業を、何も見なくてもできるようになりましょう。

ステップ②:正しいフォームでピックを持ち、ストロークに慣れる
ピックは親指の腹と人差し指の側面で、力を入れすぎずに軽く挟むのが基本です。まずは弦を押さえずに、肘を支点にして腕を大きく振り、弦を弾く「ストローク」の感覚を掴みます。上から下へのダウンストローク、下から上へのアップストロークを、リラックスして安定したリズムで行えるようにしましょう。

ステップ③:簡単なオープンコードを1つだけ覚える
いきなり多くのコードを覚えようとせず、まずは「Em(イーマイナー)」や「E(イーメジャー)」など、比較的押さえやすい「オープンコード」を1つだけ完璧にマスターすることを目指します。全ての弦が「ビーン」というノイズなく、キレイに鳴るように、指をしっかりと立ててフレットのすぐ近くを押さえるのがコツです。

ステップ④:タブ譜の読み方を理解する
ギターには「タブ譜」という専用の楽譜があります。6本の線がギターの弦(一番下が6弦)、線上の数字が押さえるフレットの位置を示しており、五線譜が読めなくても直感的に演奏できます。「きらきら星」のメロディなど、ごく簡単なフレーズをタブ譜を見ながら弾いて、読み方に慣れましょう。

ステップ⑤:超簡単なコードチェンジに挑戦する

コードを2つ(例えば、形が似ているAmとE)覚え、その2つを4拍ずつ交互に弾く練習をします。最初はテンポをとても遅く設定し、右手のストロークを絶対に止めずに、左手のコードをスムーズに切り替えられるように、何度も何度も反復練習することが重要です。

コードの案内人
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最も重要な注意点は、いきなり憧れの難しい曲に挑戦しないことです。好きなアーティストの曲は、一見簡単そうに聞こえても、実際には複雑なコードやテクニックが使われている場合がほとんどです。弾けないことでモチベーションが下がり、挫折の直接的な原因になります。まずはこれらの基礎をじっくり固めることが、結果的に好きな曲を弾くための最も確実で、最も早いルートになるのです。

上達に欠かせない基礎練習のポイント

ギターを弾きながら難しい顔をしている日本人女性と、彼女の頭上に浮かぶFコードの壁と挫折率9割を示すイメージ。

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曲の練習は華やかで楽しいですが、その楽しさを本当に味わうためには、地道な基礎練習が欠かせません。基礎練習は、いわばスポーツにおける筋力トレーニングや柔軟体操のようなものです。全ての演奏技術の土台となり、あなたのポテンシャルを最大限に引き出してくれるため、決して疎かにしてはいけません。

特に初心者におすすめしたい基礎練習の王様が「クロマチック練習」です。

運指能力を高める「クロマチック練習」

クロマチック練習は、「半音階」を順番に弾いていくシンプルなトレーニングですが、指を滑らかに動かす「運指」能力を高めるのに非常に効果的です。具体的には、人差し指・中指・薬指・小指をそれぞれ1フレットずつ順番に使って、機械的に指を動かしていきます。

【基本的なやり方】
1. 6弦の1フレットを人差し指、2フレットを中指、3フレットを薬指、4フレットを小指で順番に弾く。
2. 次に5弦に移り、同じように1,2,3,4フレットを弾く。これを1弦まで繰り返す。
3. 1弦まで行ったら、今度は逆方向に4,3,2,1フレットと弾きながら6弦まで戻る。
4. これを5フレット開始、9フレット開始など、様々なポジションで行う。

この練習には、ギター演奏に必要な能力を総合的に高める多くのメリットがあります。

  • 指の独立性向上:普段あまり使わない薬指や小指も、脳からの指令通りに自在に動かせるようになります。
  • 指の筋力アップ:弦をしっかりと押さえる力がつき、バレーコードなどで音がかすれるのを防ぎます。
  • 指の柔軟性向上:指が大きく開くようになり、これまで届かなかった難しいコードフォームも押さえやすくなります。
  • ピッキングの正確性:右手(ピッキング)と左手(運指)のタイミングを合わせる練習になり、ピッキングの精度が上がります。

ポイント

クロマチック練習の最大のポイントは、速さよりも「正確さ」と「均一性」を重視することです。必ずメトロノームを使い、最初はBPM=60程度のゆっくりとしたテンポで、一音一音はっきりと、全ての音の粒が揃うように弾くことを心がけてください。雑なまま速く弾いても悪い癖がつくだけで、効果は半減してしまいます。

コードの案内人
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地味で退屈に感じるかもしれませんが、毎日たった5分でもこの練習を続けるだけで、数週間後には指の動きが驚くほどスムーズになっていることを実感できるはずです。これはプロのギタリストもウォーミングアップとして毎日行う、最も重要な練習の一つなのです。

便利なギター練習アプリの紹介

アコースティックギターを練習している日本人男性が、隣に置かれたスマートフォンでギター練習アプリを使用している様子。

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現代では、スマートフォンのアプリを活用することで、ギターの練習をより効率的かつ楽しく進めることができます。特に、周りに教えてくれる人がいない独学の初心者にとっては、ポケットに入る音楽の先生として、心強い味方となってくれるでしょう。

ここでは、目的別に持っておきたい定番の練習アプリをいくつか紹介します。多くは無料で基本的な機能を使えるので、ぜひ一度試してみてください。

目的別おすすめギター練習アプリ

アプリの種類 代表的なアプリ例 主な機能とメリット 注意点
チューナーアプリ GuitarTuna スマホのマイクで音を拾い、画面の指示に従うだけで簡単にチューニングができます。クリップチューナーがなくても手軽に使えるのが最大の利点です。メトロノームやコード学習機能も搭載されており、オールインワンで便利です。 周囲が騒がしい場所では正確に音を拾えないことがあります。なるべく静かな環境で使用しましょう。
コード譜アプリ U-FRET JASRACと許諾契約を結んでいる信頼性の高いサービスで、膨大な数のギターコード譜を無料で閲覧できます。キーの変更や自動スクロール機能、押さえ方の表示など、弾き語りの練習に非常に便利です。多くのギタリストが利用しています。 ストロークパターンは記載されていないため、基本的には原曲を耳で聴いてリズムを判断する必要があります。
メトロノームアプリ スマートメトロノーム&チューナー 正確なテンポを機械的に刻んでくれるため、リズム感を鍛える基礎練習に必須です。タップでテンポを設定できる、拍子を変えられるなど、シンプルで操作が簡単なものがおすすめです。 無料版では広告が表示されることが多いですが、機能的には十分です。練習中は通知が来ないように設定すると集中できます。
ゲーム感覚学習アプリ Yousician / Simply Guitar ゲームのようにステージをクリアしながら、基本的なテクニックから曲の演奏までを楽しく学べます。マイクが演奏を認識し、リアルタイムでフィードバックをくれるため、モチベーションを維持しやすいのが特徴です。 無料でも一部利用できますが、全ての機能を使うには月額料金が必要です。
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これらのアプリを上手に活用することで、練習のマンネリ化を防ぎ、効率的にスキルアップを目指せます。特にチューナーとメトロノームは、ギターを弾く上で絶対に欠かせないツールです。まだ持っていない方は、この機会にぜひダウンロードして、日々の練習に取り入れてみてください。

自分の練習スタイルに合わせて必要なものを探し、テクノロジーの力を借りて、スマートに上達していきましょう。


「ギター初心者のふり」を卒業するための実践練習

    • ストロークがわからない、引っかかる原因
    • ストロークが適当に聞こえてしまう理由
    • 効果的なストローク練習の方法
    • エレキギター初心者の練習曲

ストロークがわからない、引っかかる原因

コードは何とか押さえられるようになったのに、右手で弦を弾く「ストローク」がうまくいかない、という悩みは初心者が必ず通る道です。特に、下から上へ弾き上げる「アップストローク」でピックが弦にガガガッと引っかかってしまい、スムーズに演奏できないという経験は、多くの人がしています。

結論から言うと、これらの問題の根本的な原因は、突き詰めれば「体の動きに慣れていないこと」と、それに伴う「不要な力み」にあります。ピッキングの角度や手首の使い方といった技術的な要素ももちろん関係しますが、それらは全て、リラックスして反復練習を重ねるうちに自然と最適化されていくものです。

ストロークがうまくいかない4つの主な原因

1. 手や腕が力んでガチガチになっている
「うまく弾かなきゃ」と意識するあまり、ピックを握る指、手首、肘、さらには肩にまで不要な力が入ってしまい、動きがロボットのように硬くなっています。この状態では、しなやかでスムーズなストロークは不可能です。特にピックを強く握りすぎると、弦に深く当たりすぎてしまい、引っかかりの直接的な原因となります。

2. 手首のスナップが使えず、腕で振っている
腕全体を上下に大きく動かす、まるで車のワイパーのような振り方になっていませんか?ストロークの基本は、肘を軽くボディにつけて支点にし、手首をしなやかに振る「スナップ」です。うちわや扇子をあおぐ時の、軽やかな手首の動きをイメージすると良いでしょう。

3. ピックの角度が弦に対して垂直すぎる
ピックの面を弦に対して完全に平行(垂直)に当てようとすると、物理的な抵抗が最も大きくなり、引っかかってしまいます。ピックを少しだけ斜めに傾けて(これを順アングルや逆アングルと呼びます)当てることで、ピックが弦の上を滑るようにスムーズに通り抜けるようになります。

4. ピックが硬すぎる、または柔らかすぎる
初心者の場合、硬すぎるピックを使うと弦の抵抗に負けてしまい、引っかかりやすくなります。逆に柔らかすぎると、音がはっきりせずコントロールが難しくなります。最初は「Medium(ミディアム)」や「Thin(シン)」と表記された、0.5mm〜0.7mm程度の柔らかめのピックから始めるのがおすすめです。

これらの原因を解決するためには、まず左手で全ての弦を軽く触れて音を消し(ミュート)、音程を気にせず右手のリズムとフォームだけに集中して「ジャカジャカ」と上下にストロークを続ける練習が非常に効果的です。

テレビを見ながらでも構いません。力を抜き、一定のリズムで腕を振り続ける動作を、無意識レベルでできるようになるまで体に覚えさせることが、上達への一番の近道です。

ストロークが適当に聞こえてしまう理由

「コードもストロークのパターンも楽譜通りに弾いているはずなのに、なぜか自分の演奏は単調でカッコよく聞こえない…」これもまた、多くの初心者が抱えがちな悩みの一つです。その原因は、演奏に「アクセント(強弱)」がなく、「リズムがヨレて」しまっていることにあります。

プロの演奏がリズミカルで躍動的に聞こえるのは、一連のストロークの中に意識的に強い音と弱い音を織り交ぜ、正確なタイミングで音を鳴らしているからです。全ての音を同じ力、曖昧なリズムで弾いてしまうと、演奏がのっぺりとした機械的なものになり、「適当」に聞こえてしまうのです。

演奏にメリハリと安定感をもたらす3つのポイント

1. アクセント(強弱)を意識する
音楽では、一般的に4拍子の2拍目と4拍目(ドラムのスネアが鳴るタイミング)を強く弾く「バックビート」を意識すると、ロックやポップスらしいノリが生まれます。まずは「(弱)ジャン・(強)ジャン・(弱)ジャン・(強)ジャン」のように、大げさに強弱をつけて弾く練習をしてみましょう。弱い音は低音弦だけを軽く弾くなど、弾く弦の数を減らすことでも表現できます。

2. リズムのヨレをなくす(メトロノームの活用)
自分では一定のテンポで弾いているつもりでも、無意識のうちに速くなったり遅くなったりしていることはよくあります。これが「リズムのヨレ」です。これをなくすには、メトロノームを使った練習が不可欠です。カチ、カチ、という正確なリズムガイドに合わせて弾くことで、体内に正確なテンポ感を養うことができます。

3. 不要な音をミュート(消音)する
コードチェンジの際や、弾かない弦が意図せず鳴ってしまうと、演奏全体が濁って聞こえ、雑な印象を与えます。例えばCコードを弾く際には、6弦を親指の腹で軽く触れてミュートするのが基本です。こういった細かいミュートテクニックが、演奏のクリアさを生み出します。

このアクセントやリズムのコントロールは、少し難易度が高い技術ですが、意識するかしないかで演奏のクオリティは劇的に変わります。まずはメトロノームに合わせて、特定の拍だけを強く弾く、という単純な練習から始めてみてください。その積み重ねが、やがてあなたの演奏に生命感を吹き込みます。

効果的なストローク練習の方法

ストロークを効率的に、そして確実に上達させるには、無計画に弾くのではなく、段階を踏んで練習することが極めて大切です。いきなり複雑なリズムパターンに挑戦するのではなく、単純な動きを体に覚え込ませ、徐々に応用していくのが王道です。

ここでは、誰でも基本をマスターできるレベル別の練習ステップを紹介します。

レベル別ストローク練習ステップ

レベル1:ダウンストローク(4分音符)
まずは基本中の基本、上から下に振り下ろすダウンストロークです。メトロノームをBPM=80程度に設定し、「カッ、カッ、カッ、カッ」という音に合わせて「ジャーン、ジャーン、ジャーン、ジャーン」と弾きます。音を切らさず、全ての音が均等な音量、正確なタイミングで鳴るように集中しましょう。

レベル2:オルタネイトストローク(8分音符)
次に、ダウンとアップを交互に繰り返すオルタネイトストロークです。同じくBPM=80で、「カッ」でダウン、「ツ」でアップを弾き、「カッツ、カッツ、カッツ、カッツ」という8分音符のリズムを刻みます。この時、右手はリズムに関わらず常に一定の速度で上下運動を続ける「振り子」のような状態を保つことが最も重要です。これが後の複雑なパターンの基礎となります。

レベル3:空振り(空ピッキング)の導入
レベル2のオルタネイトの動きの中で、意図的に弦を弾かない「空振り」を入れます。手は振り続けますが、弦には当てません。例えば、「ダウン(弾く)→アップ(空振り)→ダウン(弾く)→アップ(弾く)」というパターンを練習します。これにより、シンコペーションなどのリズミカルなパターンが生まれます。

レベル4:定番パターンの習得
多くのJ-POPやロックで使われる定番のストロークパターンを覚えましょう。

【8ビート基本パターン】
|↓~↓↑~↑↓↑|(読み:ジャン・ジャカ・タカジャカ)
※「~」は空振りを表します。

【16ビート基本パターン】
|↓~↓↑↓~↓↑↓~↓↑↓~↓↑|(読み:ジャン・ジャカジャカ・ジャン・ジャカジャカ)

レベル5:アクセントの付加
前述の通り、覚えたパターンにアクセント(強弱)をつける練習です。2拍目と4拍目を強く弾くことを意識するだけで、演奏が一気に生き生きとしてきます。

ポイント

これらの練習は、まずCコードなど簡単なコードを一つだけ押さえて行い、慣れてきたら「C→G→Am→Em」といった簡単なコード進行(カノン進行)に合わせて練習すると、より実践的になります。コードチェンジの際に右手が絶対に止まらないように、焦らずゆっくり練習することが上達の鍵です。

エレキギター初心者の練習曲

地道な基礎練習と並行して、簡単な曲に挑戦することは、モチベーションを高く維持する上で非常に効果的です。たどたどしくても1曲通して弾けた時の達成感は、何物にも代えがたい喜びとなり、次のステップへの大きな原動力になります。

初心者の練習曲選びで最も重要なのは、「今の自分のレベルで、少し頑張れば弾ける曲」を選ぶことです。使用するコードの数が少なく、リズムがシンプルな曲から始めるのが鉄則です。

3~4コードで弾ける!初心者におすすめの練習曲

曲名 アーティスト 使用コード例 ポイント
日曜日よりの使者 THE HIGH-LOWS A / D / E 最初から最後までほぼこの3つのコードだけで構成されており、難しいコードチェンジがありません。シンプルな8ビートで、アップテンポで弾いていてとにかく楽しい一曲です。
カントリー・ロード 本名陽子 G / D / C / Em など サビの部分はG, D, Em, Cの4コードの繰り返しが基本です。誰もが知っている有名な曲なので、達成感を得やすく、家族や友人の前で披露しやすいのも魅力です。
小さな恋のうた MONGOL800 G / C / D / Em J-POPの王道コード進行の一つです。原曲は速いですが、テンポを落としてゆっくり弾けば、初心者でも挑戦しやすい構成になっています。パワーコードで弾いてもカッコいいです。
CHE.R.RY YUI G / D / Em / C こちらも王道のコード進行。少しリズミカルな16ビートのストロークが良い練習になります。Fコードが出てこないのも初心者には嬉しいポイントです。

「ラブライブ!」の曲が弾きたい!という方も多いと思いますが、アニメソングは転調が多かったり、複雑なコードが使われていたりと、初心者には難易度が高いことが少なくありません。しかし、諦める必要はありません。エレキギターの伝家の宝刀、「パワーコード」を使えば、どんな曲でも簡単にロックな雰囲気で楽しむことができます。

パワーコードで憧れの曲に挑戦しよう

パワーコードは、基本的に指2本だけで押さえられる非常に簡単なコードフォームで、歪ませたロック系のサウンドと相性抜群です。原曲の難しいコードも全てパワーコードに置き換えてしまうことで、憧れの曲のサビだけを弾いてみる、といった楽しみ方ができます。まずは好きな曲のコード譜をインターネットで検索し、ルート音(CやGなど)だけを見て、そのパワーコードで弾いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

F:Fコードがどうしても押さえられません。何かコツや簡単な押さえ方はありますか?

A:Fコードは最初の大きな壁ですよね。まずは人差し指で6本の弦を全部押さえるのではなく、一番下の1弦と2弦を押さえない「簡易コード(省略フォーム)」から練習するのがおすすめです。これだけでも多くの曲は弾けます。また、ギターのネックを強く握り込むのではなく、親指をネックの裏に添えて、指板をつまむようなイメージで押さえると力が伝わりやすくなります。毎日少しずつ挑戦し、指がフォームを覚えるのを気長に待つことが大切です。

F:ギターを弾くと指先がとても痛いです。これはいつまで続きますか?何か対策はありますか?

A:指先の痛みは、ほぼ全てのギター初心者が経験する通過儀礼のようなものです。これは、指先の皮が弦の圧力に慣れて硬くなる(通称「指が出来上がる」)までのサインです。個人差はありますが、毎日練習していれば数週間から1ヶ月ほどで徐々に痛みは和らいでいきます。対策としては、一度に長時間練習せず、15分弾いたら5分休むなど、こまめに休憩を挟むことです。痛みがひどい時は無理せず休み、指先の皮が再生するのを待ちましょう。

F:毎日忙しくて、まとまった練習時間が取れません。短時間でも効果的な練習方法はありますか?

A:長時間練習することよりも、毎日少しでもギターに触れることの方が重要です。1日に15分しか時間がなくても問題ありません。その代わり、その15分でやることを一つに絞りましょう。例えば「今日はクロマチック練習だけを集中してやる」「昨夜うまくできなかったCからGへのコードチェンジだけを繰り返す」など、目的を明確にすることで練習の密度が濃くなります。ギターをケースにしまわずスタンドに立てておき、いつでも手に取れる環境を作るのも、練習を習慣化する上で非常に効果的です。

F:これから始めたいのですが、エレキギターとアコースティックギター、どちらがおすすめですか?

A:結論から言うと「あなたが弾きたい音楽や、憧れているアーティストが使っている方」を選ぶのが一番です。エレキは弦が柔らかく押さえやすいため、初心者には физически 楽だと言われます。また、ヘッドホンを使えば夜でも練習できます。一方、アコギはアンプなどの機材が不要で、手にしたその場ですぐに弾ける手軽さが魅力です。どちらから始めてもギターの基礎は同じように学べますので、最終的には見た目の好みや「こっちの方がカッコいい!」という直感で選んでいただくのが、モチベーションを維持する上で最も良い選択です。

もうギター初心者のふりは卒業しよう

この記事では、ギター初心者が抱える悩みや疑問について、基礎知識から実践的な練習方法まで幅広く、そして深く解説してきました。最後に、あなたが「初心者のふり」を完全に卒業し、自信を持ってギターを心から楽しめるようになるための要点を、行動リストとしてまとめます。

  • ギター初心者の約9割が1年以内に挫折するという事実を受け入れる
  • 挫折の主な原因であるFコードの壁と上達の停滞感を理解し対策する
  • 簡単な曲が1曲弾けるようになるには約1ヶ月半が目安だと心得る
  • 真に上手いギタリストはリズム感と音作り、そして音を弾かない勇気を持つ
  • 挫折しないためにはいきなり高望みせず簡単なステップから着実に進める
  • 練習の成果を焦らずまずは好きな曲を弾くのを少し我慢する
  • 毎回の練習前に必ずチューニングする習慣を身につける
  • クロマチック練習を毎日5分でも行い全ての指を鍛える
  • 練習は速さよりもメトロノームを使った正確さを最優先する
  • チューナーやコード譜などの便利な練習アプリを積極的に活用する
  • ストロークが引っかかる原因は不要な力みと慣れの問題だと知る
  • 演奏が単調に聞こえるのはアクセント(強弱)がないからだと意識する
  • ストローク練習はダウン、アップ、オルタネイトと段階的に行う
  • 練習曲は使用コードが4つ以内のシンプルなものから選ぶ
  • 難しい曲はパワーコードに置き換えて楽しむことから始める

ギターの上達に魔法の近道はありません。しかし、正しい知識を持ち、適切な練習を、たとえ短時間でも継続すれば、誰でも必ず弾けるようになります。この記事が、あなたのギターライフをより豊かで楽しいものにするための一助となれば幸いです。さあ、今日から「初心者のふり」はやめて、一人のギタリストとして、音楽を奏でる喜びを存分に味わってください。

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コードの案内人

「ギターの教科書」の管理人、コードの案内人です。 元楽器職人であり、現役のギター専門店店員。 何よりも、ギターという“相棒”が、そして音楽が大好きです。 過去の挫折と、数多くの素晴らしい楽器や音楽仲間との出会いを経て、今は個人でこのブログを運営しています。 私の知識と経験が、あなたの「弾けた!」という笑顔に繋がること。 それが、今の私にとって何よりの誇りです。 ▼保有資格▼ ヤマハクラシック・ギター演奏グレード3級,Rockschool Grade8(Electric Guitar),Rockschool Grade8(Bass),英国王立音楽検定(ABRSM)ギターGrade8,日本ギター連盟ギターグレード一級,日本音響家協会認定サウンドシステムチューナー一級,舞台機構調整技能士1級,Prp Tools技術認定試験Aランク,弦楽器製作技能士1級

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